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コーヒーの濃度とおいしさの関係~収率編~

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前回はBrixとTDSについてでした。 今回はこの濃度を使って、収率というものを考えたいと思います。 収率とは、『コーヒーを抽出した際、使用したコーヒー豆から取り出せた成分の値』です。 使用した豆の量と、抽出した液体の量と、濃度を使って計算していきます。 前回と同じ写真になりますが、これは豆を13g使って160g抽出した時のものです。 実際に収率を求めてみましょう。 まずはBrix1.59をTDSに変換します。 1.59×0.79=1.2561 ここから抽出したコーヒー160gに含まれているコーヒーの成分の量を計算します。 160gのコーヒーの濃度が1.26(%)なので 160×0.0126=2.016g 160gのコーヒーに2.016gの成分が溶けているのがわかりました。 つまり、13gの粉から2.016gのコーヒー成分をとりだしたということです。 これで収率がでます。 2.016/13=0.1550・・・≒15.5% 収率はおよそ15.5%ということになります。 SCAのBrewing Control Chartによると TDS濃度は1.15~1.35% 収率は18~22% が美味しい範囲だそうです。 先ほど計算した濃度は1.26、収率は15.5 残念ながら収率は範囲より低いですね。 ただこれはあくまで目安ととらえるべきです。実際の味と、自分の抽出がどのあたりにあるのかなくらいでいいでしょう。 なぜなら数字にとらわれてしまうととんでもない事をする可能性があるから。 収率を18%に引き上げようとするとどうするか? 濃度を上げるか、使用する粉を減らすかです。 手っ取り早いのは粉を1g減らしてメッシュを細かくして、湯温を100℃にすればいいでしょう。 ちょっとまって!!そんなことすると雑味がでるんじゃ? そうですね。きっと出ると思います。 という事です。 また、濃度が濃すぎる、収率が高すぎると過抽出 濃度が低い、収率が低いと未抽出と言われますが、味としては、下に広がる渋みのようなものを過抽出だと個人的には思っています。それは、濃度が低くても淹れ方によっては出る味だと思います。(ここまで書いておきながら、確かに薄くて水っぽいと未抽出ですよね。これはまちがいない。)